地域食物科学科Ⅲ(機能成分学実験・3年生):カルシウム定量を通じて「測定原理の違い」を学ぶ
2025年11月18日、機能成分学実験では、食品中の成分分取と定量分析をテーマに、ミネラルウォーターとワインを試料としたカルシウム定量の実験を行いました。
初回の実験では、キレート滴定法を用いてカルシウムを定量しました。滴定では当量点を指示薬の色の変化によって判断しますが、ワインではポリフェノールに由来する色が強く、終点の判断が難しいことに学生たちは気づきました。色の干渉という実験ならではの課題を体験し、理論だけでは見えない「実験の現実」を学びます。
翌日は、原子吸光光度計(AAS)を用いて、同じ試料でカルシウム定量を行いました。ところが、キレート滴定法とは大きく異なる測定値が得られました。学生たちは、分析原理・感度・妨害物質の影響などの観点から、「なぜ同じ試料で異なる結果になるのか」について考察を進めています。同一の食品試料でも、分析方法によって結果が異なることを体験し、測定値の意味や分析技術の選択の重要性を理解する貴重な学びます。


